羽織は紺色を基調としており、厳かな雰囲気を醸し出している中で、背中の大きな兜と軍配が目を惹きます。男の子には将来、大成や出世してほしいと願うのが親心。それには丈夫で健康であることが必須条件です。背中の兜には２つの願いが込められています。大切な頭を守る兜は災厄から身を守り、元気に健やかなに育ってほしいと願うお守りの役目を担います。豪勢な飾りが施された兜は、それだけで位の高い人物を意味します。勇ましくて、立派な大人に成長してほしいというお子様の将来を願う心もあります。また兜の上には龍が鎮座しており、兜は龍頭の兜（たつがしらのかぶと）とも呼ばれます。天に昇る姿から出世や飛躍を願う意味をもつ龍をかたどることで、威厳と風格を感じさせる兜になっています。袖と背中には、豪華に飾られた軍配があしらわれています。軍配を持つ人物は勝負の決断を下す立場です。これからの人生で、困難な状況になっても立ち向かえる決断力を養ってほしい、勝負の采配に強い子に育ってほしいという力強い願いが込められている文様といえるでしょう。兜や軍配などの大きな文様を囲うように矢羽が描かれています。矢羽は“魔を払い幸運を射止める”お守りであり縁起の良いものになります。袴は金と黒の鮮やかな色彩で彩られ、七五三の良き日をより強調しているようです。子供は、いつかは親から離れ自分の人生を歩む時がきます。伝統文様に込められたママの思いに護られながらも、しっかりと逞しく進むべき道を歩んでいけるように。お子様の健やかな成長と将来の大成を願う羽織袴で、めでたい晴れの日をお祝いしましょう。